野球部「2023 夏甲子園日記」最終回 聖光野球部の宝

戦いが終わりました。選手たちは果敢に立ち向かいましたが、最後は力尽きました。聖光学院60期生。59期生は赤堀颯主将を筆頭にしっかり者が多く長男気質。それに比べて60期はやんちゃ者が多くて次男気質。我々指導者側から言うと、非常に手のかかった世代でもありました。昨年からの流れで注目されたのは主将髙中一樹と4番三好元気。でも、チームのまとまりを欠いた下級生の時から苦労を重ねたのがBチーム時の主将久保竣奨と育成チームの主将小森光琉でした。久保は器用なタイプではありませんが、情熱がありチーム有数の努力家。チーム作り... 続きを読む

野球部「2023 夏 甲子園」2回戦は仙台育英に悔しい敗戦

本日阪神甲子園球場で開催された第105回全国高等学校野球選手権大会の2回戦は、仙台育英と対戦し2対8で敗れました。 聖光学院の先発は1回戦に続き小室朱生君。初回の攻撃を無得点で終えると、その裏仙台育英の猛攻を受けます。先頭打者に内野安打を許し、その後一死一・三塁とされると、ファーストゴロがフィルダースチョイスとなって1点を献上。さらに満塁とされますが、ここは小室君が相手の強力打線を連続三振に斬ってとり、ピンチを脱します。 しかし2回表、聖光学院は先頭の三好元気君がライト前ヒットで出塁すると、牽制悪送球から... 続きを読む

野球部「2023 夏 甲子園日記」第8回 魂を結集した戦いを!

明日、いよいよ2回戦です。仙台育英とは昨夏の準決勝以来の対戦。今年は現チームになってから、練習試合も含めて初対戦となります。昨年はミスも絡んで2回にまさかの11失点で勝負あり。しかし序盤の大量失点にもかかわらず、選手は集中力を切らさずに戦い、好守を連発するなど最後まで立派に戦ってくれました。 ああ、今年もこういう組み合わせか。抽選会のとき、正直そう思いました。初戦を突破したとしても2回戦は仙台育英か浦和学院。仙台育英との対戦が決まった時には「その意味」を考えました。「起こることはすべて必然であり、そこには... 続きを読む

野球部「2023 夏甲子園日記」第7回 聖光で野球がやりたい!

1999年9月、斎藤智也先生が監督に就任し、コンビを組むようになりました。その時に話したことがあります。「スカウティングに走ることなく、生徒ととことん向き合って、選手を集める学校ではなく、選手が集まる魅力的な野球部にしよう」ということでした。それから24年。長年ブレずにチーム作りをしてきました。 「どうしても聖光で野球がやりたい」と3年前、東京出身の木村元気選手が聖光学院のグランドにやってきました。しかし時期も非常に遅く、既に寮に入れる枠もなかったため、断るしかありませんでした。体も小さく華奢。でもその意... 続きを読む

野球部「2023夏 甲子園日記」第6回 野球が好き!

甲子園に入ると練習時間は基本的に高野連から割り当てられる2時間程度。次の試合は第4試合ですから練習は午後からになります。そこで今日午前中は毎年お世話になっている尼崎にあるバッティングセンター「シャローム」さんに行き、主力選手を中心に打ち込みをしてきました。「シャローム」さんとは十数年来のお付き合いで、毎年時間があるとお世話になっています。なんとここには硬式のレーンがあり、打ち込みには最適。選手たちは気持ちよく練習に励んでいました。 そしてたっぷりと打ち込んだあとは、「シャローム」さんの目と鼻の先にある「... 続きを読む

野球部「2023 夏甲子園日記」第5回 コロナ禍で得たもの大切なもの

快勝となった初戦の翌日はゆっくり休養日。抽選会から3日間という準備期間。正直これまで慌ただしい日々でしたが、次戦まで時間があることから休みをとることができました。そして今日仙台育英戦に向けて練習を再開しました。昨年の準決勝で大敗した相手で、そのメンバーを多く残す難敵です。なにせ、大会屈指の好投手が複数名いて、先日の浦和学院戦では何と19得点を叩き出した強力打線もあるわけですから容易ではありません。しかし、相手の力が上がったからといって自分たちの力が突然上がるわけでもないので、我々としては粘り強く、そして泥... 続きを読む

野球部「2023 夏甲子園日記」第4回 先輩の魂を引き継ぐ勝利!

昨年準決勝敗退後、前主将の赤堀颯が涙ながらにこう話しました。「甲子園で勝つという血液を聖光学院に持ち帰るために戦ってきた」と。そして昨年ベンチ入りしていた2年生の名前を一人ひとり挙げ、「お前たちの代で必ず日本一の聖光学院にしてくれ!」と叫んだのです。7月31日大阪の宿舎に入った最初のミーティングで、その同じ場所で発した赤堀颯前主将の「魂の叫び」の映像を選手たちに観せました。聖光学院史上初のベスト4まで勝ち上がった1年前の長い夏。その世代から間違いなく託されたものがある。それをもう一度選手一人ひとりの魂に刻... 続きを読む

野球部「2023 夏甲子園」1回戦は16安打9盗塁9得点!共栄学園に完勝!

本日阪神甲子園球場で開催された第105回全国高等学校野球選手権大会1回戦は、東東京代表の共栄学園と対戦し、16安打に9盗塁を絡め9得点。9対3で完勝しました! 聖光学院の先発は背番号11の小室朱生君。小室君は初回先頭打者に初球を右中間に運ばれ、無死二塁のピンチ。しかし小室君は続く2番・3番打者を連続三振で斬ってとり、4番打者もショートゴロに打ち取って無得点で凌ぎます。 一方相手の主戦左腕も好調な立ち上がり。試合は3回まで両校無得点と接戦の様相を呈します。しかし聖光打線は4回裏、先頭の杉山由朗君が内野安打で... 続きを読む

野球部「2023 夏甲子園日記」第3回 最強控え部員と共に!

甲子園リポート 第3回 8月3日 最強控え部員と共に! まさかの大会初日です。相手は東東京の共栄学園。東東京を準決勝・決勝と奇跡的な勝ち方をして甲子園に来たチームです。昨年勝ち抜いた時も「死のブロック」と言われましたが、今年は「それ以上だね」といろいろな方からご連絡を頂きました。 しかし、ここは甲子園。どこも無敗で勝ち上がってきたチーム同士のチャンピオンシップですから、楽に勝てる相手などありません。相手はどこでも、自分たちのやるべきことをとことんやりきる、それが聖光学院のスタイルです。 さて、甲子園にはメ... 続きを読む

野球部「2023 夏甲子園日記」第2回 難が有って有難う

甲子園日記 第2回 8月2日 「あの劣勢の状況下にあって、なぜあんなに素晴らしい表情でいられたのですか?」と複数の方に聞かれました。私も決勝戦の映像を見返しましたが、確かに主将の髙中一樹を筆頭に苦しい試合展開を楽しんでいるかのような表情にさえみえます。 「難が有って、有難う」。そんな聖光学院の教えが根付いているのかも知れません。普通「ありがとう」は自分に都合のいいことが起きた時に発する言葉ですよね。でも、チーム作りがうまくいかなかったり、なかなか結果が出ない時、選手は一様に表情が曇り、暗い顔をします。 そ... 続きを読む