野球部「2022 夏」甲子園日記 8月1日

甲子園日記(8月1日)

 

7月27日。雷雨のよる2時間の中断を挟む4時間の激闘を制し、3年ぶりの甲子園出場が決まりました。光南高校の粘り強さに苦しみましたが、選手たちは3年間の歩みを十分に発揮し、次のステージに進むことができました。

 

コロナ禍の始まりと共に入学した彼らの最初の大きな事件は「夏の甲子園中止」でした。1年生の立場で見た3年生の涙は大きな衝撃だっただと思います。そして、次の事件は昨年の夏の敗退だったと思います。コロナ禍に翻弄され、そして先輩達の涙を目の当たりにするたびに、彼らの決意は大きくなっていったことは間違いありません

 

この世代はその先輩たちの代に比べ、「力がない」と言われていました。だから尚更だったと思います。しかし、彼らは入学してすぐの頃から、「自分たちの代で日本一を獲ろう」と話していたそうです。勝つことが当たり前でなくなった中で、そこを目標にし、どんなに「力がない」と言われても決して目標を下方修正せず、だったらそのために何をやったらいいのか?を選手からリクエストしてくるチームでした。現世代がBチームだったころから赤堀颯主将は私によく言いました。「やれることは何でもやります。宜しくお願いします」。指導者が選手に引き込まれる、理想的で魅力的なチームが今年の聖光学院です。

 

さて、出発前PCR検査で無事全員陰性が確認され、今朝学校をバスで出発しました。よく皆さんに「バスの長旅で大変だね」と言われますが、新幹線や飛行機よりも意外と快適です。公共機関では気疲れするんですね。バスの中は軽装ですし、リラックスできます。何よりこれはもう「伝統」ですがバスの中でDVD鑑賞をするんですね。これまでも「半沢直樹」や「ルーズヴェルト・ゲーム」、今年の春は「仁」でした。今年はというと、「ノーサイド・ゲーム」。社会人ラグビーチームを題材としたヒューマンドラマです。

遠征試合のバスではすぐに寝るくせに、今日はほとんどの選手が寝ることなく見入っていました(笑)。前半部分でラグビーチームの新監督がこう言います。「今日から俺たちは家族だ!」。チームが勝つために一番必要なことは、チームが家族になることだと言います。

そう言えば、現世代が1年生の冬場に、いきなりそれぞれを下の名前で呼び始めました。赤堀に理由を問うと「自分たちは家族になりたいんです。家族はみんな下の名前で呼ぶじゃないですか!」。

今大会はコロナ対策で厳しい報道規制がかけられました。報道各社がチームの様子をリポートできないため、「甲子園日記」の寄稿依頼がありました。皆様のご支援に少しでも恩返しできれば、と期間中チームの様子をお伝えできればと思います。よろしくお願い致します。