素晴らしき常総学院3年生!

昨日野球部は常総学院高校と練習試合を行いました。Aチームには福島に来ていただき、Bチームが常総学院にお邪魔させて頂きました。

これはBチーム、常総学院高校でのお話しです。

1,2年生同士の試合を第1試合、第2試合はBチームの控え選手中心の試合を行い、第3試合に出場した常総学院の選手はなんと全員3年生。前日常総学院のコーチから電話があり、明日は3年生の最後の対外試合にしたい、との話があったのですね。そう、引退試合のような試合。そんな大事な試合の相手が聖光学院の、しかもBチームでいいんだろうか⁉と思いつつ、分かりました!とお受けしました。

前日のミーティングで、「明日は常総学院の3年生の引退試合になるよ。その相手に指名されるなんて、凄く光栄なこと。夢も希望もあって入学した2年半前。毎日毎日練習に明け暮れ、それでも最後の夏メンバー入りが叶わなかった選手達が高校生活最後の対外試合でどういう野球をやるのかしっかり目に焼き付けろ!そして、我々も全力で立ち向かうのが礼儀だよ。どんな展開になっても心を込めて戦おう!」と話して、昨日の試合に臨みました。

試合は素晴らしかった!常総学院の3年生たちの一つ一つのプレーには気持ちが込められ、えっ?そんなバッティングするのにベンチに入れないの?と思わず言いたくなるような素晴らしいスイング。何より潔い思い切りの良いスイングや精度の高い投球に彼らの「3年間」が凝縮されているかのようでした。

試合はもちろん常総学院3年生の完勝!でも、まだ打席に立っていない選手がいるということで特別ルールとして延長10回表の常総学院の攻撃を敢行。

私はその10回にマウンドに上がったT君に全部ストレートの勝負を指示。一死後、打席に立った左打者は感極まって打席に入る前から号泣。恐らく走馬灯のように3年間がよみがえり、これが常総のユニフォーム来て立つ最後の打席だと込み上げてくるものがあったのでしょうね。そして最後はフルスイングでの三振。あとでT君も言っていたのですが、あの光景をみて、「心を込めて全力で投球することが礼儀だと思って・・・ホントに全力でいきました」と。

そして次打者の右打者はそのストレートを見事に左中間に二塁打。素晴らしいバッティング。感動したのは、その打者が二塁に到達したあと、ウチの投手T君にヘルメットをとって「ありがとう!」と言ってくれたんです!素晴らしい!
たぶん、うちの投手の気持ち、全力で真っ向勝負した気持ちを受けとってくれたのだと思います。「最後の打席で俺は二塁打を打ったぜ!イエ~イ」って常総ベンチにガッツポーズで終わったっていいのに、相手投手、しかも2年生だって分かっているのに「ありがとう」って・・・。凄い「人間」だな、と感じました。

さらに、試合終了後、ベンチで片づけをしていると、常総学院の3年生が聖光ベンチにやってきて、「今日はありがとう」と言って「常総学院」のネームのはいったベースボールTシャツをプレゼントしてくれたんです。これにはウチの選手はもう感激!

常総学院の選手の「心配り」、気持ちを受け取る「感性」の高さ。そして相手を称える「謙虚」な姿勢。そのすべてに感動して福島に帰ってきました。ウチのBチームにもすごくいい勉強になったし、本当に素晴らしい遠征となりました。

そして、ウチの1・2年生のBチーム。まだまだ力はないけれど、相手に気持ちが伝わったのだとしたら少しずつだけど「成長」してきたな、と嬉しく思います。そこって野球が上手い下手以上に大事なところですからね!

常総学院のスタッフ、選手の皆さん、貴重な機会を頂き、ありがとうございました! あんな素晴らしい3年生が控えにいる常総学院。絶対夏は甲子園に行って欲しい!いや、そういうチームこそ甲子園に行ける!そう信じています!

共に夏、頑張りましょう! 甲子園での再会を祈って・・・