新井秀校長説教集89~律法について~

2023年5月1日(月)
朝 の 説 教
- 律法について -   『マタイ』5:17~20

今日は、イエス様が律法をどのように考えていたかについて話をします。「律法」、聞き慣れない言葉ですね。辞書を引くと「おきて、規則、法律」と解説されていました。でも聖書で言う律法と法律は決定的に違います。法律は人間が作ったものであり、聖書の律法は神様から人間に与えられたものだからです。日本の法律は憲法の41条で決められているとおり、国会で国会議員によって作られたものです。でも聖書の律法、その代表である十戒は、今から3,000年以上も前にエジプトから脱出してきたユダヤ人の指導者モーセに、シナイ山で、神様から直接、石の板に書いて与えられたものです。 続きを読む →

新井秀校長説教集88~洗礼者ヨハネの登場~

2023年4 月20日(木)
朝 の 説 教
- 洗礼者ヨハネの登場 -  『マタイ』3:1~6

今日は洗礼者ヨハネについて学びましょう。去年の今頃、私たちは『ルカによる福音書』でヨハネ誕生の物語をかなり丁寧に学びました。2~3年生は覚えていますか?質問しますよ。お父さんの名前は?ザカリアでしたね。エルサレム神殿で働く祭司でした。 続きを読む →

新井秀校長説教集87~ヘロデ大王による幼児殺害~

2023年4 月18日(火)
朝 の 説 教
- ヘロデ大王による幼児殺害 -『マタイ』2:16~18

今日の聖書には、「ヘロデ、子供を皆殺しにする」との題が付けられていて、大変ショッキングです。どうしてこんな惨たらしいことをするんでしょうか?今日はヘロデの人生から、いくつかのことを学びたいと思います。

1 ヘロデは「ヘロデ大王」とも呼ばれ、 続きを読む →

新井秀校長説教集86~イエス・キリストの誕生~

校長

2023年4 月13日(木)
朝 の 説 教
- イエス・キリストの誕生 - 『マタイ』1:18~25

今日から『マタイによる福音書』によってイエス様の愛の教えを学んでゆきたいと思います。今日はイエス・キリスト誕生の記事です。今日から1年生が礼拝に加わりましたので、出来るだけ分かり易く話したいと思います。

イエス・キリストの「イエス」は両親が付けた名前です。「神は救いなり」という意味です。「キリスト」とは救い主・メシア・メサイアのことです。「ベツレヘムに生まれ、ナザレで育った大工の子イエスこそ神の子キリスト(救い主)だ」と教えるのがキリスト教です。 続きを読む →

新井秀校長説教集85~愛のある人に~

                  2023年4 月10日(月)
第一学期始業礼拝
- 愛のある人に -

                     『ヨハネの手紙一』4:7~12

新しい年度に入りました。皆さんは進級して新3年生・新2年生になりました。おめでとう!特に3年生に言いたいのですが、時間の経つのは早いですよ。多くの部活は春から初夏に大会があり、負ければ一学期中に引退です。夏までには進路を決めておかないといけません。一日一日を大切に有意義に過ごしましょう。新2年生に期待するのは、教育者の東井義雄先生が良く語られたた「培其根」(ばいきこん)です。「その根を培う」という意味です。勉強に部活に資格取得に励み、皆さんの根を大きく太くして欲しいです。そして3年時には大きな実を結んで欲しいです。明日は入学式で202名の新入生が入って来ます。君たちには先輩として良い見本になって欲しいです。 続きを読む →

新井秀校長説教集84~エルサレム滅亡の予告~

   2022年12 月15日(木)

朝 の 説 教

          - エルサレム滅亡の予告 -  『ルカ』21:20~24

  今日の聖書は、イエス様が「神の都エルサレムは、神の怒りが下ってやがて滅亡する」と予告したところです。しかも主イエスは詳細に、「人々は剣の刃で倒れ、捕虜となってあらゆる国に連れて行かれる」と予言しました。そして予言は的中し、イエス様の死から約40年後の西暦70年、4年間も包囲されたエルサレムはローマ軍によって徹底的に破壊され、ヨセフスによれば110万人が殺され、約10万人が捕虜として連れ去られ、生き残ったユダヤ人は国を追われ、世界中に散り散りになってしまいました。以来ユダヤ人は、ヒットラーによる「ユダヤ人虐殺」など多くの迫害を受け、第二次世界大戦後にイスラエルが建国されるまでの約1800年間、自分の祖国をもたない「流浪の民」になってしまったのです。ユダヤ人が住んでいた、神が「約束の地」・「乳と密の流れる地」と呼んだあの肥沃なヨルダン川流域のオアシスは、以後「パレスチナ」(ペリシテ人の土地)と呼ばれることになるのです。以上は歴史が証明することです。 続きを読む →

新井秀校長説教集83~週末の徴~

校長

2022年12 月14日(水)

朝 の 説 教

- 終 末 の 徴 -    『ルカ』21:7~19

今日の聖書は、人々がエルサレム神殿が見事な石と奉納物で飾られていることを褒め称えたこと対するイエス様の言葉です。歴史学者ヨセフスは『ユダヤ戦記』の中で、「エルサレム神殿の正面は人々の心を奪い、目を見張らせるに十分だった。外側のすべてが重厚な金の板で覆われていたからである。朝日が昇るとそれはまばゆく光り輝き、見る者は目を逸らさずにはいられなかった。まるで直射日光を受けたような感じだったからである」と述べています。神殿の中には高さ12メートルもの繋ぎ目の無い大理石の柱が何本もあり、純金でできた大きなぶどうの木と房の献納物がありました。房は人間の背丈程あったと言います。これだけのものを見れば人が驚き褒め称えるのは当然でしょう。でもイエス様は「やがてこれらは皆崩壊されて跡形もなくなるのだ。見える物は必ず滅びる。見えないものの中にこそ永遠に続くものがあるのだ」と教えられたのです。 続きを読む →

新井秀校長説教集82~やもめの献金~

 2022年12 月7日(水) 朝 の 説 教            - やもめの献金 -     『ルカ』21:1~4 今日の物語をより良く理解するために、最初に4つ説明します。 第一は、「やもめ」についてです。やもめは広く考えれば配偶者を亡くした夫や妻を指すのですが、ここでのギリシャ語は女性名詞ですから、この人は「女やもめ」だと分かります。英語にも男性ならば「host」、女性ならば「hostess」と分けて用いる場合があるのと同じです。 第二は、だとすると、ここはエルサレム神殿内の「婦人の庭」での出来... 続きを読む

新井秀校長説教集81~復活についての問答~

   2022年12 月2日(金) 朝 の 説 教           - 復活についての問答 -   『ルカ』20:27~40   今日は、復活などあり得ないとするサドカイ派の人々とイエス様の問答です。 イエス様は既に三回弟子たちに「自分は十字架で殺されるが三日目に復活する」と告げていました。30歳台前半の若さでの死は、人間イエスには避けたいことでした。でもこれは父なる神のご意思であり、イエス様はその命令に粛々と従って死に場所であるエルサレムに来たのでした。そんな十字架の死と復活を目前にしたイ... 続きを読む

新井秀校長説教集80~終着点エルサレムに~

校長

2022年11月18日(金)

朝 の 説 教

          - 終着点エルサレムに -  『ルカ』19:28~44

イエス様はいよいよ人生の終着点であるエルサレムに入られました。数日後には十字架に掛かって殺されることを覚悟してエルサレムに来られたのです。まだ30歳台前半の若さでした。一体どんなお気持ちだったのでしょうか?今日の聖書箇所から大事な点を3つお話します。

第一は、エルサレムに入る時の情景です。エルサレムはユダヤ人にとっては最も神聖な町であり、心の故郷です。そこにはかつてソロモン王が建てた荘厳なエルサレム神殿がありました。折からユダヤ最大のお祭りである「過越祭」の最中で、エルサレムは多くの人々でごった返していました。そのエルサレムにイエス様は子ろばに乗って入りました。その進む道に、人々は自分の衣服や棕櫚の枝を敷き、「ホサナ!王に祝福があるように!」と歓呼の声をあげ、神を賛美しつつイエス様を迎え入れたのです。 続きを読む →